天皇陛下のお側に12年間お仕えした前侍従長の川島裕氏。
同氏がこの度、
『随行記―天皇皇后両陛下にお供をして』(
なる書を刊行された。
第1部「慰霊の旅」、
第2部「
第3部「被災地を訪ねて」。
氏が身近に体験された尊く貴重な事実がいくつも紹介されている。
例えば(これは“前任者たち”から耳にしたことだが)
―「(
アイルランド大統領に対し、
音楽も自粛しては、との提案があり、
東京で国賓を迎えるのにそこまでした方がよいもの
宮内庁は苦慮したようだ。
陛下はかつて昭和天皇の御不例時にも過度の自粛ムードに対して
警
更なる拍車をかけるようになる
皇后さまに相談をおかけになっている。
結果は皇后さまが音楽をするかしないかという議論を越えた
第3の
プログラムをご試作、晩餐会場への入場も、
『威風堂々』にかわり、アイルランド民謡で友情を歌った
『Meeting of the Waters(2つの川の出会い)」
意見をきかれ、氏の強い賛同のもと、
時節にも合い、歓迎の意も充(み)
被災地への配慮を示す歌舞音曲の自粛は当然のことであろう。
しかしレクイエムのような鎮魂の音楽もあることであり、
覚えられな
礼をお尽くしになったのだと思う」。
もう一文だけ、「あとがき」の締め括りの一節を。
「…
ご訪問ばかりであるかのような印象を
実際は、
ようやく見付けての
次第にお年を召されつつある両陛下にとって、
ー刊行の日付は8月10日。
かの「ビデオメッセージ」
両陛下に「平穏な時間」を、と私も祈りたい。
その為には最低限、